習得したい!「美容鍼灸師」になるための資格とは

病気や不調の原因そのものに働きかける薬剤治療や手術は、西洋発祥の「西洋医学」の考え方にもとづく医療です。一方で近年注目されているのが、本来身体が持つ治癒力を活性化するという考え方で、身体の内側から病気を治したり予防したりする効果が期待される「東洋医学」です。漢方や鍼灸がその代表的な施術方法ですが、エステのような美容の世界でも、東洋医学をもとにした鍼灸によるエステ、「美容鍼灸」が注目されてきています。

東洋医学と美容

まずは美容の世界で、なぜ東洋医学が注目されるのか、その背景から見ていきましょう。

東洋医学とは

積極的に薬や手術という手法を用いて患部などの直接的な治癒を目指すという西洋医学の考え方とは異なり、東洋医学は身体が本来持つ治癒力等を最大限に活かして治していくという考え方を持った医学です。

※今回記載する「東洋医学」とは、インドのアーユルヴェーダや中東のユナニ医学を含まない狭義の東洋医学です。

美容との関係

東洋医学の施術方法と効果を簡単に説明すると、漢方やあん摩、鍼灸(鍼や灸)で身体の血流の動きを促進したり、ツボの刺激などで自律神経に働きかけ、リンパ液の循環や内臓の動きを正常化したりするものとなります。手術後の患部の痛みを和らげたり、回復を早めたりする効果を期待して施術されるなど、西洋医学とのコンビネーションでも注目されてきました。

エステのような美容の世界でも長い間、基本的な手技のほか、西洋医学的な考え方に基づく施術が主流でした。しかし近年、東洋医学の「身体が本来持つ、治癒力や免疫の働きを手助けする」といった考え方が注目され、美容にも取り入れられるようになってきました。

肌は内臓の健康状態を写す鏡とも言われています。東洋医学的な視点を取り入れた美容では、人間が本来もっている自然治癒力や身体の機能を高めることによって健康的で美しい肌を実現することをめざします。

美容鍼灸とは

東洋医学の代表的な治療として、鍼灸が挙げられます。その長い歴史に裏付けられた技術や、西洋医学の療法では得られないような効果に注目し、美容法のひとつとして東洋医学の優れた要素を取り入れたのが「美容鍼灸」です。

鍼灸とは

鍼灸を簡単に説明すると「鍼と灸を用いて人間のツボを刺激することにより、血流やリンパ液の流れ、内臓の動き、自律神経などを正常な状態に整え、最良の働きができるようにする治療方法」です。現在、日本に伝わっている東洋医療は約2000年前に古代中国で生まれた医術にルーツがあるとされています。そして鍼灸が日本に伝来したのは6世紀頃とされており、朝鮮半島から伝えられました。その後、鍼博士や鍼生と呼ばれる官職が鍼灸を扱う医療職として活躍していました。 明治政府が西洋医学を強く推すまでは、民間の医療の中心でした。現在でも「鍼灸院」が街に看板を掲げ、凝りや痛みの緩和、内臓の不調の改善などのための施術を多くの人たちに行っています。

美容鍼灸の効果

美容鍼灸は、その歴史ある鍼灸の技術を基本とし、身体への負担が少ない施術によって、内臓の活動や自律神経の動きを調整することで、全身の機能の改善も期待できるのが特徴です。

その美容に関する目的や効果については以下が代表的です。

  • リストアップ/小顔:体内の水分の動きの活性化などによる、むくみやたるみの解消。
  • 美肌:血流の向上、循環の正常化による肌への栄養や酸素等の供給の調整による美肌効果。
  • アンチエイジング:血流、リンパの循環の正常化等による各種内臓や骨、肌、髪等へのプラス効果。
  • ホルモンのバランス調整:ツボの刺激によるホルモンの分泌の活性化、ホルモンバランスの正常化。
  • ストレス緩和、不眠等の解消:交感神経、副交感神経の機能の正常化による心の休まり、安定した睡眠への誘導等。

このようにさまざまな効果が期待できるとされています。しかし、西洋医学とは異なり、自分の身体の自然治癒力・調整機能を高めることを目的とするのが鍼灸であり、東洋医学は治療を長く継続してこそ効果が期待されます。つまり美容鍼灸においても、すぐに効果を期待するのではなく、継続していく姿勢が重要です。

美容鍼灸師になるには

それでは具体的に、美容鍼灸師になる方法と活躍の場、そして将来性について見てみましょう。

美容鍼灸師になる方法

まずは鍼灸師として活動するために必要な、国家資格であるはり師、きゅう師の資格を取得する必要があります。この資格を取得するための国家試験を受験するには、文部科学大臣もしくは厚生労働大臣または都道府県知事によって認定された学校もしくは養成施設で3年以上、鍼および灸の技能と知識を習得することが必要です。その後、美容に関する知識や技術を習得することで美容鍼灸師として活躍することができます。

鍼灸師の資格取得に関しては、「鍼灸師になるための資格は必要?その道のりや国家試験について」もご覧ください。

美容鍼灸師の活躍の場

美容鍼灸師は、エステティシャンとしての専門知識と技術を習得していれば、エステティックサロンや美容サロンで活躍することができます。もちろんはり師・きゅう師の資格があることが前提です。

また、社員として勤務するだけでなく、フリーの美容鍼灸師として、鍼灸師の資格取得者が不足しているスポーツジムや美容サロンにスポットで勤務することもできるでしょう。

美容鍼灸の技術を身に付けておくことで、ほかのエステティシャンとの差別化、アピールポイントになるので、エステに限らず活躍の場を広げることが可能です。

エステティシャンに関しては、「エステティシャンになるにはどうすればいい?適性から年収まで解説」もご覧ください。

美容鍼灸師の可能性

美容サロンの中には、美容鍼灸に注目をしているところもあるようです。もっと身体の内側から美しくなりたい、心身共に健康的な美を追求したいという希望者への美容鍼灸は、今後も注目度が高まっていくと考えられます。美容鍼灸の仕事で実績を積み、固定客を増やせば、美容鍼灸を扱う美容サロンとして自分の店を持つことも可能です。鍼灸師の資格をもち、美容鍼灸をサービスとして取り扱うことができれば、ほかの美容サロンとの差別化を図ることができるでしょう。

鍼灸の美容技術で差別化を図れば、活躍の場は広げられる

エステの世界でも、はり師、きゅう師の資格を取得しておけば、美容鍼灸の施術を行うことができ、エステティシャンとしての付加価値になります。エステティックサロンに限らず、美容サロンにおいても美容技術に加え、鍼灸師の資格を活かすことができれば強みとなるでしょう。

 

関連記事

日本健康医療専門学校 資料請求